【№8】この隠れ家に辿り着ける人は新橋通だ、立ち飲み『立』
と、ある看板が目に止まった。
危うく通り過ぎてしまいそうになるぐらい目立たない看板だった。
いつも歩いている通りなのにその看板の存在にまったく気付かなかった。
看板に書かれていたのは、『立』という一文字だけ。
どうやら焼酎バーのようだ。
焼酎ならそんなに高くもないだろう、それに気に入らなければ二度と来なければいいだけだし、ということで勇気を出して飛び込んでみた。
このお店がまたなんともわかりづらい、細い路地裏にある。
初めてこのお店を体験する人を連れて行く度に、「えー、こんなところにお店があるんですか!」と驚かれる。
そういう場所にこのお店はある。
私が入店した時、お客さんは誰もおらずマスターが一人でポツンと手持無沙汰のような感じでいた。
お互いに初めましての挨拶を交わし、それから、焼酎、適当なおつまみを注文しボチボチ飲み始めた。
マスターと一対一で会話をしているうちに、いろんなことがわかってきた。
マスターは以前は長らくアメリカのボストンで暮らしていたが、帰国にあたり生活をするためお店を始めたのだとか。
そして、マスターは私と同郷の鹿児島県人であることが判明。
その瞬間から意気投合し、初訪問とは思えないぐらいお店の居心地の良さを感じてしまった。
聞けば、オープンして間もないということだったので、初訪問以来口コミで多くの飲み仲間たちに教えた。
今では多くの新橋飲み人に知られる存在となり、日によっては入店できないほどの人気店になった。
ここは焼酎バーなので焼酎の種類が豊富だ。
特に芋焼酎は珍しい銘柄のものが置いてある。
料理は、郷土の鹿児島系の一品がそろっている。
さつま揚げ、薩摩地鶏、きびなご、など。
焼酎飲んで鹿児島の郷土料理を食べれば本場の雰囲気に浸れるというもの。
とてもいい焼酎バーだ。
それに常連のお客さんは陽気な人が多い。
初めての訪問でも暖かく迎えてくれる雰囲気がお店にはある。
このお店に辿り着けた人は、新橋通と呼ぶに相応しい飲み人であろう。
<お店データ>
東京都港区新橋3-13-2 新共ビル1F
TEL:03-3436-0302
定休日:日
食べログ
by yoron-shinbashi | 2011-03-05 20:30 | 立ち飲みの店