昭和一桁生まれのおしゃべり好きな女将がいる、目黒新橋『おおき』
その1階は飲食街になっていて、居酒屋やバーなどの飲食店が10店舗軒を連ねる。
表に「10店そろった大酒郷」という看板がありのんべを誘う。
聞くところによれば、戦後屋台をひいていた人たちが、このマンション建設と同時にここに移ってきたのが始まりらしい。
現存するお店の中では、創業40年以上のお店もある。
今回紹介したいのは、創業30年以上という老舗のお店『おおき』。
昭和一桁生まれという女将が一人で営むお店なのだが、とてもおしゃべり好きで、自分のことや家族のこと、ご両親のことなどいろいろ話題を提供してくれる。
さらに面白いのが、よくもの忘れすることと、マイウェイを貫き通すことか(笑)。
どういうことかといえば、まず、お客さんが注文したものを忘れる。
極めつけは、最後の勘定の際、お客さんが注文したものがわからずお客さんに確認すること。
「えーと、お客さん、何注文されました?」って感じで(笑)。
それと、例えば、こちらが注文したものとは違うものが出てきたりする。
「これ、美味しいから食べてみて」と言いつつ。
で、肝心の注文した料理は出てこない。
まぁ、しつこく言えば出してもらえるかもしれないが、こういうのはこれはこれで何だか楽しい。
ちょっと涙ものだったのは、店内の壁にかかっている黒板メニューの話。
かつては今は亡きご主人と二人でやっていたとのことで、ご主人が書いたメニューを消すことができず、そのままにしているのだという。
黒板に書かれたそのメニューはかすれているが、きっとたくさんの思い出が詰まっているのであろう。
女将との会話で私が独身であることを告げたのだが、何度も「奥さんは?」と聞く女将の記憶力はお酒の場を盛り上げてくれる(笑)。
そんな女将なので、再訪してもきっと覚えていてくれないかもしれないが、なぜか再び訪れてみたくなる不思議なお店だ。
目黒新橋は実に楽しい場所である。
<お店データ>
東京都目黒区目黒1-24-19 目黒新橋マンション1F
TEL:不明
定休日:日、祝日
by yoron-shinbashi | 2012-02-05 10:02 | 新橋以外(座り飲み)